ところが、小さなハマヨシちゃんは、ほんの少しだけ手を緩めてしまいました。その瞬間、風船は小さな手をすり抜けて行きます。 「あ!」ハマヨシちゃんは、小さく叫ぶと慌てて駆け寄って、飛んで行く風船を捕まえようと手を伸ばしましたが、風船は、あっという間に雲一つない青い空へと吸い込まれて行きます。 それは、ハマヨシちゃんが、幼い頃、何度も見た夢と、同じ光景でした。 「夢じゃなかった・・・?」 ハマヨシちゃんは思わず呟きました。そして、小さなハマヨシちゃんを見ました。
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